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小児患者における急性骨髄性白血病の治療のパイオニア


プロジェクト: 小児急性骨髄性白血病の治療計画


プロジェクト ストーリー: 2012年以降、アンコール小児病院 (AHC) は国際的ながん専門家と協力して、一般的な小児がんの治療法を積極的に開発し、治癒の成果を向上させてきました。AHCは、急性リンパ芽球性白血病 (ALL) および網膜芽細胞腫 (RB) の研究に専念する腫瘍学者、血液学者、腫瘍学の薬剤師、専門病院のサポートスタッフからなる高度なスキルを持ったチームを編成。より効果的な治療計画を策定するために、全方位で協力体制を整えつつ、小児患者に質の高い医療を提供することに尽力しています。


永寶公益財団法人は、アンコール小児病院(AHC)とのパートナーシップを強化しています。*2023年、永寶公益財団法人とAHCはカンボジアの小児がん患者の救命治療の強化に焦点を当て、3年間のプログラムを始動させました。プロジェクトの主な目的は次の3つになります:


1. カンボジア初の急性骨髄性白血病(AML)治療薬


*AHCの上級研究員であるサムリー・ヴァナック博士は、過去2年間にわたり、国際的ながん専門家と協力し、カンボジアでは現在有効な治療法がない血液がんである急性骨髄性白血病(AML)の画期的な治療法を開発しました。この治療法は、2022年末にAHC執行委員会にて承認され、2025年までに毎年20人のAML患者を治療することを見込んでいます。AHCはこの3年間のプロジェクトを通じてAML治療の範囲を拡大し、心身を問わずAHCの治療の枠組みに沿って複数の病院の診療科にまたがる統合的な専門治療を患者に提供することができます。これらのサポートには、経済的な理由で長期にわたる治療が困難な家族に対して移動や食事支援などの必要不可欠な支援をすることも含まれます。


2. AHCの腫瘍学プログラムへの投資


*化学療法に安全な医療環境を提供し、感染リスクを軽減するため、AHCは2020年から腫瘍科病棟の建設を計画しており、現在14床と隔離エリアがあります。

今後3年間の寄付計画は、病院の医療能力と病床規模を拡大することを目的としています。一部の経費は小児がん患者に最高のケアを提供するための新しいベッドや必要な医療機器の調達、及び病棟の収容能力の拡大、最新鋭の設備の導入に使用されます。


3. 小児腫瘍学の知識の共有


*AHCには確かな教育システムがあり、毎年数百人の看護師、研修生、医学生の教育に取り組んでいます。永寶公益財団法人の助成を受けることで、こうした教育面を増強し、網膜芽細胞腫、白血病、骨肉腫、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫などの特定の種類のがんの診断と治療に関するトレーニングを提供することができるようになります。助成が医療の専門知識をさらに高めるきっかけとなり、小児がん患者に質の高い医療を提供するというAHCの取り組みの推進に役立ちます。


実績:

初年度のハイライト

  • 85件のがん患者診察

  • 21種類のがん治療実施

  • 10人の患者を緩和ケア

  • 43人の患者の化学療法実施


YP公益財団法人はAHCの急性骨髄性白血病治療プログラムにおいて、8人の急性骨髄白血病患者の特定と診断に大きく貢献しました。患者のうち、4名は有効な治療を、2名は緩和ケアを受けましたが、残念ながら2名は亡くなりました。


腫瘍患者区分 (IPD-2)と、入院患者区分 (IPD-1)におけるリノベーションも完了しました。内容としては、床及び天井の張り替え、電気系統の取り替え、扇風機、ドア、トイレ及びバスルームの塗り替え及び新品の導入を行いました。初めてのエアコン導入は、患者と職員双方ともに心地よい環境を整えることができたと思います。また、リノベーション区分においては新しく患者用ベッドを導入したことで、患者にとってより快適な環境を整えるとともに、古いベッドを他拠点の医院用に再利用することができました。


課題:


AML治療プログラムが初年度を終え、次年度に向けていくつかの課題が浮上しています。

なかでも、重要な課題となっているのは、化学療法の管理と腫瘍学者をサポートするための看護師に向けた特別カリキュラムが不足していることです。看護水準を向上するため、AHCは海外のパートナーと協力し、看護師に向けた包括的なトレーニングと様々な専門分野におけるガイドラインを構築する予定です。


もう一つの課題は、化学療法を受けるために長期入院することになった患者及びその家族が感じるストレスの緩和です。この問題に取り組む為、AHCの腫瘍学チームとソーシャルワークチームは協力し、患者とその看護者向けに、個別のカウンセリングやワークショップ、サポートプログラムなどを提供しています。さらに、おもちゃや本、その他アクティビティなどを提供するための寄付プラグラムを企画中で、患者が治療中に気分転換できて心地よく過ごせるようにします。


今後の計画:


次年度は、カンボジアの小児がん患者、特にうち9人の骨髄白血病患者の診察と治療に注力して助成金を活用する予定です。YP公益財団法人は引き続き、AHCの小児がん患者の治療をサポートしつつ、職員のトレーニングも行っていきます。このような重要な企画の一員となれたことをとても光栄に思っています。


今後の成果や結果についても、随時報告していきます。みなさま方の興味と変わらないサポートは、我々の活動にとって必要不可欠です




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